東京都では、東京と他の地域が、それぞれの持つ力を合わせて、共に栄え、成長し、日本全体の持続的発展へとつなげていく「共存共栄」を目指しています。
そのために、東京都では、東京だけでなく他の地域の発展にも結びつく様々な施策に、各自治体と協力して取り組んでいます。その取組の一環として、全国の自治体へ直接訪問させていただき、東京都との連携や政策全般にわたる意見交換を積極的に行っています。
1月24日(金)に京都府を訪問させていただきましたので、その様子をご紹介します。
東京駅から京都駅へは、新幹線で2時間程度!
そこから地下鉄に乗り換え、10分ほどで府庁最寄りの丸太町駅に到着し、歩いて京都府庁へ向かいました。
▼京都府庁旧本館▼
~明治時代に建てられた、レンガ造りの府庁舎~
京都府庁を正面から臨むと、旧本館が目に飛び込んできます。
こちらは、1904 (明治37) 年に竣工した、レンガ造りの建物です。1971 (昭和46) 年まで本館として使われ、現在も執務室や会議室として使われているそうです。
まるでヨーロッパのお屋敷のような建物で、幾多の文化財が点在する京都の中でも、ひときわ特別感がありました!
意見交換は、総合政策環境部の皆様にご対応いただきました。
お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。
東京都から連携事業についてご紹介するだけでなく、京都府からも府が取り組む主要プロジェクトについてご説明いただきました。
ここでは、京都府の主要プロジェクトから代表的なものを紹介させていただきます!
<子育て環境日本一>
京都府では、総合計画に掲げた「社会で子どもを育てる京都」の実現に向け、「子育て環境日本一」の取組を進化させるべく、令和5年12月に「京都府子育て環境日本一推進戦略」を改定しました。
戦略では、「子育てが楽しい風土づくり」「子どもと育つ地域・まちづくり」「若者の希望が叶う環境づくり」「全ての子どもの幸せづくり」という4つの重点戦略と、「子ども"ええ顔"たくさんプロジェクト」など20の重点プロジェクトを掲げ、行政だけでなく府民の皆様や、企業、地域、関係団体等が一丸となって取り組んでいるとのことです。
京都府(「子育て環境日本一」を目指して) 公式HP
「子育て環境日本一」を目指して/京都府ホームページ
<大阪・関西万博に向けた取組>
京都府では、大阪・関西万博を契機に文化・観光資源の発信や地域経済の活性化を図るため、行政や経済界、関係団体の長及び有識者等のオール京都体制で「大阪・関西万博きょうと推進委員会」を設置しました。様々な主体による万博に向けた取組をまとめた「大阪・関西万博きょうとアクションプラン」の作成や、万博会場内にある関西パビリオンへの京都ゾーンの出展など、京都の豊かな魅力を国内外へと発信する取組を実施しているとのことです。
大阪・関西万博きょうと推進委員会の公式サイト
EXPO KYOTO Official site
<スタートアップ支援>
京都府の強みでもあるiPS細胞研究やAI/IoTなどの先端研究、豊かな自然を活かし、スタートアップ支援を強化しています。
「IVS KYOTO」などの国際イベントを通じて、世界へ飛躍するスタートアップを次々と輩出するグローバル・エコシステムの構築を加速し、地域経済の活性化を目指しているそうです。
さらに、2025年7月には、3年連続京都開催となる「IVS2025 KYOTO」も開催されることが発表されています。まさしく府全体でスタートアップを支援し、イノベーションを創出する土壌が整いつつあるかのように感じました。
IVSの公式サイト
IVS2025 KYOTO | 日本最大級のスタートアップカンファレンス
<観光PR>
京都府と京都市が連携し、「まるっと京都」というキャッチコピーで周遊観光の推進に取り組んでいます。
現在、「古都・京都」のイメージだけでない京都府域の魅力を発信する「もうひとつの京都」エリア(海の京都、森の京都、お茶の京都、竹の里・乙訓)と、京都市内の隠れた名所の魅力を発掘・活用する「とっておきの京都」エリア(伏見、大原、高雄、山科、西京、京北)を周遊いただける取組を進めています。
今後「まるっと京都」の取組をさらに充実されますので、「まるっと京都」にぜひ注目してください!
「もうひとつの京都」 公式HP
京都府観光連盟公式サイト - 京都府観光ガイド
「とっておきの京都」 公式HP
とっておきの京都プロジェクト
<アート&テクノロジー・ヴィレッジ推進事業>
2024年10月31日に、アートとテクノロジーの融合によるオープンイノベーション拠点である、「アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都(ATVK)」を開設し、新たな産業の創造と次世代を担う人材の育成を図っています。
視察にも行かせていただきましたので、後程詳しくご説明します!
意見交換の後は、お待ちかねの昼食です!
今回は、京都の伝統的な野菜「九条ねぎ」を使った、うどん定食をいただきました。
ご覧のとおり九条ねぎがどんぶりをびっしりと覆っていて、ぜいたくな一品でした!
昼食後に少し時間がありましたので、京都府庁からもほど近い「京都御所」を訪れました。
京都御所には広大で美しい庭園が広がっており、歴史的で格式高い数々の建物を観て回ることができます。
平安時代から続く宮廷文化の息吹を感じることができ、まるでタイムスリップしたような感覚になりました。
いきなりですが、クイズです!
次の写真は、京都御所の中心に位置する「紫宸殿」(ししんでん)という正殿です。
では、「紫宸殿」はどのような場所でしょうか?
- 天皇の即位礼や重要な儀式が行われる正殿
- 天皇の日常生活の場
- 武士の訓練場
紫宸殿は、京都御所の正殿として、1868(慶応4)年に明治天皇が公家や大名を前に新政府の指針「五箇条の御誓文」を示し、明治・大正・昭和の3天皇の即位礼が行われた場所でもあります。
とても立派で厳かな雰囲気を感じられるのですが、写真では伝わりづらいのが残念です。無料で観覧できますので、皆様もぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(訪れたのが平日だったことも関係しているのか、比較的伸び伸びと回ることができます。)
この後は、電車で「山崎駅」へ向かいました。
山崎駅は、天王山の麓に位置し、歴史的な「山崎の戦い」の舞台です。
また、「山を越えて合格する」という意味から、合格祈願のスポットとしても人気があります。
またまたクイズです!
「山崎の戦い」はどのような戦いだったでしょうか?
- 織田信長が徳川家康を討った戦い
- 羽柴秀吉が明智光秀を討った戦い
- 豊臣秀吉が徳川家康を討った戦い
正解は2番です!
山崎の戦いは、1582(天正10)年に羽柴秀吉が明智光秀を討った戦いで、秀吉の勝利に終わりました。
「天下分け目の天王山」とも言うように、勝利した秀吉はこの後一気に天下人にのし上がります。
至るところで歴史を感じられるのは京都ならではですね!
山崎駅からアート&テクノロジー・ヴィレッジ京都(ATVK)へ移動後は、元京都府副知事の山下晃正村長をはじめ、京都府庁の皆さんに施設の紹介をしていただきました。お忙しいところ誠にありがとうございました。
アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都(ATVK)では、アートとテクノロジーの融合を通じて、多様なテーマの実証・連携・協働・交流が行われています。
例えば、ドローンなどの実証実験やアート作品の展示など、創造的なアイデアを実現するための広大なスペースと企業等がミーティングやワークショップを行う交流施設が整っています。
企業同士が自由に意見交換を行い、新しいアイデアが次々と生み出されているのもATVKの特徴です。
山下村長からは、構想段階の企画を含め様々なお話を伺いましたが、中でも興味深かったのが、「耳の聞こえない人も楽しめる音楽祭」です。
パントマイムのような音楽祭のほか、補聴器を作るスタートアップと協働し、難聴でも音楽を楽しめる骨伝導技術を用いた音楽祭、音楽を文字や絵画に表現することで展覧会として楽しむ音楽祭など、多様なアイデアが生まれているとのことです。
実現するのはまだ先になるかもしれませんが、従来の発想に捉われないアイデアの数々は、我々行政職員も学ぶことが多いように感じました。
アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都(ATVK)の公式サイト
アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都(ATVK) - 京都の文化力を生かしたアートとテクノロジーの融合によるオープンイノベーション拠点
▼ATVKでは「ヤッターワン」の巨大模型が待ち構えていました!▼
こちらは、京都の中小金属加工関連企業約80社の団体である「京都機械金属中小企業青年連絡会」(機青連)が約4年を費やして制作されたそうです!
▼ATVKの敷地の様子です。順次企業サイトブースの建設が進んでいくそうです!完成が待ち遠しいですね。▼
今回の訪問では、意見交換、現地視察ともに大変有意義な訪問となりました。
東京都は、全国各地との共存共栄を目指し、引き続き幅広い分野で連携を進めていきます。
次回の訪問レポートもお楽しみに!