東京都では、東京と他の地域が、それぞれの持つ力を合わせて、共に栄え、成長し、日本全体の持続的発展へとつなげていく「共存共栄」を目指しています。
そのために、東京都では、東京だけでなく他の地域の発展にも結びつく様々な施策に、各自治体と協力して取り組んでいます。その取組の一環として、全国の自治体へ直接訪問させていただき、東京都との連携や政策全般にわたる意見交換を積極的に行っています。
1月15日(水)に静岡県を訪問させていただきましたので、その様子をご紹介します。
まず、こちらをご覧ください。この立派な富士山どこから見えると思いますか?
答えは、静岡県庁別館21階富士山展望ロビーです!夕焼けに染まる街並みと、富士山という素敵な風景を眺めることが出来ました。近くから見る富士山は壮大で、一見の価値ありです。無料で入れますので、皆さんも静岡に行った際はぜひ県庁に寄ってみてください。
静岡県庁別館21階富士山展望ロビー: 静岡県庁別館21階富士山展望ロビー|静岡県公式ホームページ
最初に県庁のおすすめポイントをお伝えしましたが、我々は県庁訪問の前に2か所ほど静岡県内の施設を見学してまいりましたのでご紹介します。
① 静岡県富士山世界遺産センター
こちらは富士宮市にある、世界文化遺産「富士山」の博物館です。
写真で見ていただくと分かるように、入口から大迫力のお出迎えです!
こちらは、建物前面に水盤をつくり、建物を水面に映し出すことで逆さ富士を表現しているそうです。(我々も見た瞬間、思わずおぉっ!と声が出ました)
館内では、建物全体が螺旋スロープになっていて、タイムラプスの映像を見ながら疑似登山体験が出来ます。
2013年6月に世界文化遺産に登録された富士山、ここで一回登山体験してみませんか?
静岡県富士山世界遺産センター:【公式ホームページ】静岡県富士山世界遺産センター
② 静岡県地震防災センター
富士宮市から静岡市に移動し、静岡県地震防災センターにも訪れました。
東日本大震災や阪神・淡路大震災、新潟県中越地震の他、南海トラフ巨大地震(想定震度7)を3次元の揺れと映像で体験することが出来ます。(私たちが訪れた際は、小学生が社会科見学に来ており、地震体験にチャレンジしている最中でした!)
他にも富士山の立体模型へ噴火の様子をプロジェクションマッピングで写す等、体験型が多い施設でした。
静岡県地震防災センター:静岡県地震防災センター|静岡県公式ホームページ
以上2つの施設を見学した後は、いざ県庁に向かいます!
こちらが静岡県庁本館です。素敵な造りの建物だと思ったらなんと国の登録有形文化財だそう。東京からのアクセスは、東京駅で東海道新幹線に乗り、1時間ほどで県庁最寄りの静岡駅に到着、そこから徒歩で10分ほどになります。近いですね!
さて、いよいよ意見交換です。
意見交換は、知事戦略局、交通基盤部の皆様にご対応いただきました。
お忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。
今回は、防災関係、スタートアップ関係を中心に意見交換をさせていただきました。
まず、東京都が実施する連携事業をご紹介した後に、静岡県の方から防災関係としてデジタルツインの取組についてご紹介いただきました。
静岡県では『VIRTUAL SHIZUOKA』という、県土全体をレーザースキャナ等で計測し、3次元点群データを取得・蓄積し、オープンデータ化するという取組を行っています。
『VIRTUAL SHIZUOKA』のデータを用いることで、現実空間では多くの時間やお金が必要なまちづくり等を、仮想空間上でシミュレーションすることができるため、主に災害・防災分野で「災害発生前後における変化量の分析」や「津波や河川氾濫シミュレーション」等に活かされています。最近では、石川県の点群データをオープン化し、プラットフォームに搭載することで、能登半島地震被災前後の状況把握にも利用されたとのことです。
他にも、交通・測量・設計・インフラ維持管理・広報・観光・ゲーム等でも活用されており、静岡県の「安全・安心で利便性の高い県土づくり」につながっています。
また、こちらは東京都の『東京都デジタルツイン実現プロジェクト』と連携し、『VIRTUAL SHIZUOKA』 のデータを 「東京都デジタルツイン3Dビューア」上に掲載したことで、WEB ブラウザでも簡単に観られるようになりました。東京都としても静岡県のコンテンツを取り入れることで、「東京都デジタルツイン3Dビューア」の利用価値を高めることができ、お互いの長所を活かした形となっています。
VIRTUAL SHIZUOKA:VIRTUAL SHIZUOKA|静岡県全域を3次元点群データでデジタルアーカイブ
東京都デジタルツイン実現プロジェクト:東京都デジタルツイン実現プロジェクト | 東京都デジタルサービス局
続いて、スタートアップ関係について意見交換を行いました。
静岡県は、2023年9月に本格的なスタートアップ支援戦略を策定。企業や自治体とのマッチング強化、成功事例やロールモデルづくりを重点的に行い、「 創出 」「育成」「連携」を柱とした支援を戦略的に展開しています。また、県庁の近くにはイノベーション施設「SHIP」もあり、スタートアップの挑戦を県全体で応援しています。
SHIP:SHIP - SHIZUOKA INNOVATION PLATFORM
静岡県の印象的なスタートアップの取組として、伊豆ヘルスケア温泉イノベーションプロジェクト(通称 ICOIプロジェクト)があります。ICOIプロジェクトでは、伊豆地域の豊富な源泉を活用し、食や運動等を組み合わせた伊豆に適した新しいヘルスケア産業の創出等を目指します。昨年10月には、佐賀県嬉野温泉の方を招き、旅館内にオフィスを作り、誘致企業との協業等に成功した事例を学ぶ地域資源活用セミナーを行いました。伊豆地域の温泉を活用して、スタートアップの誘致を図るという、地域の特色を活かした取組で、働く場所を選ばない現代にピッタリだと思いました。
ICOIプロジェクト:地域資源活用セミナー ~温泉旅館に企業が入居!?佐賀県嬉野市 和多屋別荘の取り組みから学ぶ~ | 静岡県 ICOIプロジェクト
また、昨年6月から「CIC Tokyo」に職員を駐在させたり、東京都が運営するスタートアップ拠点「Tokyo Innovation Base」(TiB)で静岡県知事がセミナーを行ったりと、東京都との連携も増えています。
都の取組も最大限活用いただき、物理的な距離の近さや地域の魅力などを活かしながら、共に支え合い発展していくことができればと思います。
今回は2つの分野を中心にお話を伺いましたが、観光や芸術など他の分野についても更なる連携の可能性について意見交換をさせていただきました。
お忙しい中ご対応いただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。
ここからは余談ですが、お昼ご飯は、JR静岡駅内で静岡名物の「黒おでん」を食べました。
▼おでんをおかずにお米を食べるのは初でしたが、黒いスープが合います!▼
黒おでんの特徴は、
①黒いスープ(牛すじ入りの甘めな味付けで、濃口醤油を利用)
②黒はんぺん(骨や皮を丸ごと練り込んでいる)
③青のり・だし粉をかける
とのことです。
また、前述した富士山世界遺産センターのミュージアムショップでこちらを見つけました。
▼中央部木材に「USED IN VILLAGE PLAZA」の文字▼
こちらは東京2020大会の選手村「ビレッジプラザ」で実際に使われていた木材になります。大会終了後それぞれの自治体に返却され、東京2020のレガシーとして公共施設で活用されており、こういった所でも東京との連携を身近に感じることが出来ました。
今回の訪問では、意見交換、現地視察ともに大変有意義な訪問となりました。
東京都は、全国各地との共存共栄を目指し、引き続き幅広い分野で連携を進めていきます。
次回の訪問レポートもお楽しみに!